電車に乗ってたら目の前の太った男が僕と全く同じダウンジャケットを着てた、ということがあった。あまりの衝撃に、僕はつい用事もないのに次の駅で降りてしまった。男が居眠りしてて僕が自分と同じ服装ということに気づかなかったのが不幸中の幸いだった。
もう何年も昔の話だけど僕はそれをひとつの教訓として胸に焼き付けている。すなわち、「普通のものは買うな」。
でもやってしまうのが人ってもんだ。だって世の中にある服とかって基本的に何個も同じものを流通させているから。でもそれがどんなタイミングでぶつかってしまうかが重要なことなのだ。
今日僕はお気に入りのクロムハーツのブレスレットを身に着けて大学へ行った。
テストがあったので、席について用紙にペンを走らせていた。
そこで気づいてしまった。
隣の男もまた、僕と同じクロムハーツのブレスレットだということに。
いや、別に良かった。幸いその男はちょっとしたおしゃれな男だったし、いつかみたいな悪夢とはかぶらない。それに今はテストに集中して誰も見ていない。
とか分かってはいながらもついつい隣の男の腕に目がいってしまう…
と、そこで前方から声がかかる。
「そこ!なに見てる!カンニングか!」
違うんです僕は答案じゃなくてブレスレットを見てたんです…と弁明しようかどうかまじ迷った。
結局釈明できたけど、テストはぼろぼろだったぜ。トホホ。。